ふくのおかん、ようすにわたしのおばばの名は豊ばあという。
わたしの知る限り、もっとも料理のレパートリーが広い人物でございますが、そのおばばとおじじ、おじさんとおばさん夫婦、その子供らが、本日我が家を訪れたのです。
ダンボールふたっつぶんのごちそうを携えて。
・帆立の炊き込みごはん・菜の花のおひたし・なめたガレイの煮付け・たこの頭の酢漬け・いとこ煮・お葛かけ・ひき昆布の煮物・金時豆の甘煮
おくずかけってのは、美味しんぼの宮城編にも登場した汁もののことで、根菜や糸こん、豆腐、しいたけ、豆麩なんかをしょうゆ味で煮て、とろみをつけたおつゆのこと。
総勢7人プラス、おとんとふくと、わたしとことらと。
かつてないほど、そしてこれからもこれ以上はないというほど我が家の人口密度が高まった今日、杜の都はぽかぽかと暖かかった。
ふくのお父ちゃん、わたしのじいちゃんは元船乗りだったんだけどさ。
はじめてきたうちのベランダから外をながめている後姿が、あんまり格好良いので、わたしはカメラを持った。
じいちゃんはこういうふうに船から海をみてたんだかなあと思ってさ。ひとを撮りたいなと思ったのは、とっても久しぶりだった。
みなが買い物にでかけたあと、大量のごちそうをまえに途方にくれ、葉子に電話をかけてみる。
「ごちそうあるんだけど、こない?」
帰りの車に便乗して実家に帰ることにしたので、あふれんばかりの料理をもらいうけてもらえんもんかと白羽の矢を向けてみた。
外が薄暗くなりかけたころ葉子はやってきて。
結局買物から帰ってきたふくちゃんと、ドンクのミニクロワッサンをお茶うけに、のほほんとお茶っこのみをする。
ふくちゃん、葉子をいたく気に入った模様。わたしも知らなかった話まで、初対面の葉子にぺろんと語らってるのにはぶったまげたさ。
たのしかったなあ。やっぱめしと茶は、ひとがひととてっとり早くなかよくなるきっかけになるんだわね。
今日いちんち、なんべん薬缶でお湯わかしたろう?
でも、それは幸福な作業だった。
あんだけ笑えんならなんべんでも沸かしたるさね。
山頭火でラーメンたべて、みんなで実家に帰る。
結婚ってすごい制度だなあと思った。なんのつながりもないふたりが一緒になることで、たくさんの結び目ができてゆく。味方がふえる。
いびきまでハーモニー。おそるべし、相性100%夫婦。
・携帯でごらんのみなさまへ・
このたび携帯でも画像がみられるようになったみたいですね。
よかったよかった。
けいじばん